希望－１－ トルコキキョウの花びらのお守り
トルコキキョウの花言葉はなんだったかな。
本をぱらぱらとめくってみる。えーと…
「希望」「優美」「よい語らい」「深い思いやり」
なるほどね。
希望、か……。
／＊／
花屋さんで、たまたま見つけてくれたんだとは思うけれど。
なかなか、今の私にぴったりの花を選んでくれたと思う。
希望。
本気で忘れそうになっていたもの。
うちの国の地上部火葬場で、あの人を見たとき。
もう、何もかもどうでもよくなってた。
２人で、会いたい、消えるから安心しろって言い合って。
あの人が消えるくらいなら私が消えた方がって思い詰めていた。
その結果が、これなのかって…何もかもあきらめてた。
生活ゲームはみんな楽しみにしてたから、ここまでは参加して。
冒険ゲームは私がいなくてもなんとかなるだろうから。
名前も、国も、ゲームも。
すべて捨てて消えてしまうつもりだった。
それなのに。
まるで見透かしたかのように。
希望の花言葉をもつこの花が、私の手元にやってきた。
／＊／
お守りを作ったのは、単に記念のつもりだった。
花束のままではいずれ消えてしまうから。
お守りにすれば、消えないアイテムになるんじゃないかなって。
なのに、ね。
加護に、復活の手がかりだって。
嘘みたいな派生が続けて現れた。
これも、希望、なのかな。
あきらめるなって。
今はまだやめるときじゃないって。
／＊／
お守りにしなかった残りの花を、振り返る。
あと数日しかもたないけれど、精一杯咲き誇る花たち。
届くかわからないけれど、チョコレート贈ってみよう。
あきらめないって、まず自分に言い聞かせるために。
そして。
あの人のこと、もう一度ちゃんと想うために。
／＊／
みんな、ほんとに、ありがとね。
いつもみんなに助けられてたのは、私の方だよ。