背景

都市船の離水改造を行う事は別にダイスで決めたわけでも藩王の気まぐれというわけでもない。
宇宙怪獣が来ているからと言う理由は少しはあったが、元を正せば紅葉国の長期展望の一環だった。
紅葉国の長期展望。藩国船の建造と移民である。

なんで移民するのかと、実はあんまり理由はない。
元々海の一族であったがために、旅を続けること、航海をするという事が、生活の一環となっているというのが
本質的には正しいだろう。
彼らは旅をするのに理由がいらないのである。
その動機の発露が産業育成準備にも現れ、ステラ・マリス・プロジェクトが生まれたのである。

ただし、宇宙を旅するには技術開発が必要である。そして技術開発には危険がつきものである。
NWではこれまでにも技術に関する様々なトラブルが見られてきた。
藩国船というのも当然ながらTLOである。
その意味はこうなる。

×下手な事をすれば爆発する
○上手にやらないと爆発する

NWの技術水準は平均して高く、下手をしないという事よりも一歩踏み込んだ取り組みが求められているのが現状である。
それは、よくわからないものは封印するのではなく
よくわからないものであること、触れたら危険であること、そもそも触れない方がいいことという事を検討した上で
つきあい方を考えるという方向へと進んだ。

かくして産業育成準備の折には、宇宙環境に適用するための船体構造の研究や材料工学の推進といった
「開発上必要な事」の他にも、
システム安全工学からのアプローチで高い技術・新技術を使う上での慎重な向き合い方を常に念頭に入れる形になった。

海上の都市船

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