紅葉国摂政に聞く――輸送潜水艦の誕生と未来 その狙い

はじめに

ターン14。世界情勢のあおりをうけて観光経営を主産業にしている国は多くが不況に襲われている。
資金不足に陥った各国は資金融資をうけての経済の立て直しを図ろうとしていた。

そんな中、紅葉国では不況打開の一手として、輸送潜水艦の設計、製造をかかげた。
これまでも海底都市、メガフロートの建造など海に起因する様々な技術を出してきた紅葉国の次の方向性。
それは海運業、正確には海中運業であった。

輸送と言えば長距離列車や船を思い浮かべるところであるが、今回は潜水艦という提案がなされた。
開発されたのは寸胴の大きな潜水艦である。
輸送船開発による機械工業による産業活性や、運輸業への参入による流通活性。
様々な狙いが考えられる中、輸送潜水艦の開発と運営にはどのような戦略があるのか。
輸送潜水艦の設計者である、紅葉国摂政、神室想真氏に話を聞くことにした。
潜水艦

インタビュー

――輸送潜水艦を造ろうというアイディアは、どんなときに思いついたのでしょうか。
   また、輸送潜水艦を造った時のコンセプトをお聞かせください。
「都市船の開発に合わせて、でしょうか」
「海底都市とは異なり、都市船は環状線等の固定された輸送法がありません。
 そのために、使いやすく大量に物を運べる潜水艦が必要になったわけです」
「コンセプトとしましては、『巨大・低コスト・普通』ですね。低コストと言っても輸送量や潜水艦から見てのものですが」
「技族と文族の協議、及び今まで紅葉国で使われてきた潜水艦を一から検討し直して作られています。」

――実際に作った時には、どういった課題があったのでしょうか。
   また、それに対してどのように取り組んだのでしょうか。
「しいて言えば、コンセプトの『普通』から来る動力源の選定でしょうか」
「軍用で言えば原子力もありますが、一般的に使用される潜水艦と言うことで却下になりまして。
 であれば『普通』の名のもとに紅葉国で一般的に用いられているディーゼル機関を使うことになりました」
「こちらも問題がありまして、燃費はいいんですが出力不足になりやすいのです。
 なのでこれを大型化・効率化・高出力化と検討と開発を重ねました」
「その上で、推進力等もより効率的なものを、外殻も制限の中でより効率な物を…としてあります。
 無論安全性は削らずに、ですよ」
「ディーゼル機関の問題として定期浮上に関する問題もあるんですが。
 これはまぁ仕方ありませんので、休憩中は釣りやらスポーツやらで身体を動かしつつ運用していただければと思います」
「潜水艦乗りの宿命として引きこもりがちになりやすいですからね」

――輸送潜水艦を造ったことで、国内産業や流通業に大きな影響を与えると考えられます。
   こういった産業や事業展開面での考えをお聞かせください。
「コンセプト通り、国内での安い運搬手段等になれば良いな、と考えております」
「事業展開は、まぁ一応考えております。
 と言っても民間事業に任せることになると思いますが。そのための武装無しです」
「紅葉国は観光産業のほかありませんでしたから。
 運輸産業の一部や、またこの潜水艦造船による雇用が増えれば皆様の役にも立つと思います」

――今後、運用にあたって、他事業との衝突やテロ組織の脅威など、様々な問題が考えられます。
   それについてはどのようにお考えでしょうか?
「そうですねぇ…。皆様ご存知のようにNWでの輸送手段は初恋運輸様等の海運が主流です」
「まぁ、こちらは潜水艦なわけでして、輸送量や効率的にはかなうわけはありません。紅葉国内部においては別ですけれども」
「なので、こちらは安心・安全を積極的に打ち出していければと思います。現状では特殊な装備が無いと潜水艦は攻撃できませんし」
「ともかくも海中の安全性は今までの紅葉国の被害率からも分かる通り、かなり良いと思います。
 また、絢爛方面世界への交易も出来ればと考えています」
「テロ組織につきましては…現在大急ぎで対応しております。」
「スペックの通りなんら武器を搭載していないので、護衛艦やRBの作成を検討しております。
 こちらはまだ研究中ということで」

――最後になります。今後の展開をお聞かせください。
「これまで観光業に集中してきましたが、都市船や輸送潜水艦のおかげで、移動できる場所、生活できる場所が増えました」
「これを生かして、今後は海洋研究や造船へ力を入れていけたら、と思います」
「観光業だけではない、紅葉国の新たな産業とその発展を期待していただければと思います」


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