復興計画

復興計画

紅葉国では近年海底都市の安全性の高さに着目し、海底での生活が長らく続く一方で、地上部に建造されたリゾートや観光地の復興もまた今後の課題としてたびたび取りざたされてきた。
もともと紅葉国は観光業を主な産業として成立していた藩国であったが、度重なる戦乱や悲劇もあって、これらの観光施設は多くの時間その本来の役目を全うできずにいた。
そしてその間に、ファーム建造による生物資源産業の活性化や、都市船・輸送用潜水艦の開発を主とした機械産業への参入をじっくりと進めていった。

転機はT14、60509002である。
タケモンと言われる企画があった。
タケモンというのはルールにある定義によると不思議な生き物の事であり、この企画ではタケモンと言われる生き物たちが一般行為判定をして様々な戦い、競技をこなしていくという事になっている。

このタケモンの開催地を募集するという告知が、あった。

これはチャンスと思った紅葉国首脳陣は、その中に前々よりタケモンに参加していた日向美弥氏がいたこともあり、プッシュのかいあって即決で開催地立候補をすることを決定した。
あたればラッキー。そう思って、応募した。
当たったら登録しよーとルウシィ藩王はつぶやいていた。

で、あたった。

このあたり。ギャンブラー着用者の日向女史の幸運による物か、あるいはリアルラックが高いルウシィ藩王の手による物か、ギャンブル国家である紅葉国内では微妙に意見が割れた。
しかし意見は割れても内心どっちでもいいと思っている人ばかりなので深刻な対立などは生まれることはなかった。

ともあれ。当選したのなら誰の運でもかまわない。
これを期に藩王は政務とリアル仕事と並行してタケモンに参加し、自国の利を生かして大人げのない勝利を目論見んだ。

それと、幸運にもタケモンの開催地として選ばれた事を受けて、ルウシィ藩王とマユミ摂政はこれを機に大々的に地上の復興を目論んだ。
まずはその、タケモンの舞台ともなる広大なリゾートと観光地から……。

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リゾート追加設定

紅葉国のリゾート施設は、エンブレムをもした島に無数あるコテージ群、海中に設置されたプライベートホテル、まるまる貸し切ることのできる人工島に、観光地でも採用されている植物観光ツアーのルートでもある自然島のハイキングコースなどからなっている。

リゾートの復興にあたっては、まずコテージのある人工島の清掃から始まった。
各施設の整備や動作チェックを行い、不備のあった物は専門家に修理を依頼した。
ゴミを捨て、各地を清掃すると同時に、ホテルとなっているコテージ群の整備や飾り付けの一新などが行われた。
人工島の政争が終わると次に自然島にも足を踏み入れることになった。
こちらはある程度の清掃とともに、自然環境の再調査、およびハイキングルートの確保などが行われた。

これらの清掃、整備活動には、ギャンブルで特に大散財して延々ファームで働くことになりそうな幸運の低い人たちに依頼する形を取った。
最近手に職を順調に増やしている彼らは、これでもう少し金銭感覚というものを養えば立派に独り立ちできるのであるが、まあ、
「次こそは勝てる、ダイスの出目どれも六分の一の確率だにゃー」
と思えるからこそのギャンブラーとも言えなくもない。

で。その一幕。ギャンブル業界では
「おまえら勝負に負けたけど人生に勝ったよな」
と噂されているファームの長老ことウィルソンとササキの夫婦(!?)であるが、この二人、今回の清掃・復旧業勤務の褒美に、リゾートの教会で結婚式を挙げることになった。
いい宣伝になるという事で、費用は清掃予算から降りている。
ちなみのこの予算の流れを知った藩王は、
「よしよし。もっとやれ」
と謎の発言を残している。

かくして。
今まで所在も危うげだったリゾートの教会は、一躍紅葉国ギャンブラーの会における夢の結婚式場としての地位を確立していくこととなった。
合い言葉は「人生に勝て!」である。
そんな二人は、御祝儀の半分をギャンブルですり、結婚式に参加してお祝いをした人たちをさらに喜ばせることになった。
ちなみに勝利者は参加者である。

これはこれで、みんな幸せ、という話。


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