運用

居住や避難などの各種の基本的なシステムは、
海底都市のシステムにならってガイドラインが作られ、運用された。
以下では、本都市船における特殊な事情を記述する。

都市船は海底ドームとは違い、低速ではあるが海中を航行している。
またメンテナンスの意味も含めて定期的に浮上する。
これは強力な舵取りをしているわけではなく、季節の海流に乗って周回しているのである。

固定型としないで回遊させたのは、
既存の海底都市との差別化と交流の活性化を狙ってのものである。
海底ドームや都市船などの閉鎖系の居住環境では、
それぞれのつながりが薄くなることが懸念される。
これは国としての流通が断続的になることを指しており、遭難化による孤立感の向上、
ひいては相互コミュニケーションの不足が発生すると懸念されている。

これらの解決として「街作り」がある。
固定設置型の海底都市を都市船は順次回遊し、定期的に人々の交流、流通が図れるようにした。
ルートは基本的に決まっており、海域によってはルートを知った鯨やイルカが
先導するように都市船の先を走っていく事がある。
シップ自体、コスト等の問題でマスターシップをのぞいて単独の系として設計されていないので
いくつもの専門的なスレーブシップを用意し、
相互に環境を補完することで系として完成するようになっている。
こうすることで、シップ間の交流も盛んになるように配慮されている。

都市船には大量の定期便潜水艦が配備され、相互間の交流も盛んになるようになっている。
また、そもそも盛んにならなければ環境維持が難しい。

都市船における管理スタッフは、定期的に休憩をとる事になっている。
その際にはスレーブシップの緑地での散歩や、各種施設での休憩が推奨される。
これらの休憩サイクルを取ることで、仕事だけに閉じこもる事や極度の関係孤立回避、
精神的なケアなどに注意が払われている。

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回遊理論とメンテナンス

都市船はエンジンを積んでいるものの、基本的には海流に流されて回遊する箱庭である。
独自のエンジンで自由航行をするわけではない。
都市船は低速ではあるが海中を航行し、メンテナンスの意味も含めて定期的に浮上している。
これは強力な舵取りをしているわけではなく、季節の海流に乗って周回しているのである。

これらの回遊は先の調査(綺麗な海参照)による海図を元にして、
海流を計算、それにのるようにして航行している。
航路上にはいくつかの係留ポイントが事前にセットされている。
これらの係留ポイントに都市船をつなぐことで、一時的に発電することも可能である。
緊急事態に際し都市船において補給が断たれた場合などは、係留点に接続することで、
海流を使って発電を行い、補助エネルギーとする事ができる。
どの海流にのるかを選ぶ時には都市船のエンジンが稼働し、航路を微調整させる。
これによって都市船が身を任せる事のできる海流を任意に選ぶことができ、
かつ、最低限のエネルギー消費で回遊を行う事を可能とした。

都市船はその施設のメンテナンスのため定期的に浮上を行う必要があると検討された。その結果、

1週間:浮上
2週間:海上移動=メンテナンス期間
1週間:潜水

のように経路を確定させるに至った。
海上移動の際には定期メンテナンスを行う他、
これまで海底都市で問題視されていた空気の質を改善するため、換気も行うこととした。
メンテナンスには、当然ながら周辺の安全を確認した上で行われる。

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海上生活

海上にいる間は、メンテナンスの意味も含め、安全が確認されている場所では
上部アーマーユニットと透過天板を解放する。
浮上 透過天板は通常、気密処理とロックをかけられているが、
海上に出て気圧調整とロック解除を経ることでせり上がるようになっている。
これにより、上層に存在する居住区は海上移動中は海上での生活を営むことができる。
後部ユニットの上甲板を解放し、清掃と転落防止用の柵の設置を終えた後は
屋台等の設置を許可し、公園・広場として使うことができる。
これを定期的に行うことにより、海中生活における閉塞感を解消することを企図している。

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海洋研究所

観光業を主軸に経済を作ってきた紅葉国は、ここ最近の情勢で経済的に大きく負担をおっている。
それを打開するために着目したのが、海洋の資源だった。

海洋資源の確保のため、紅葉国ではすでに、ファームにて行っているような海洋生物の生態調査、産業体系見直しのための海洋調査(綺麗な海プロジェクト)などが実施されている。
今回、これらのデータを元にさらに深く海洋資源調査を行うために、回遊する都市船の
スレーブシップにラボを常設、長期調査が行える研究船としての運用が考えられた。

事実、海底で固定点として存在する海底都市を中心とした調査では、調査、資料の運送そのものに
大きな負担がかかり、輸送中のサンプルの保全などにも慎重な対応が必要であった。
これに比較し、回遊する都市船での調査は現地で資料を確保できる、大規模な調査が行えるなど
様々な利点がある。

これらの点を踏まえ、これまでの実態調査の上で、都市船での海洋研究、資源調査計画には
期待が寄せられている。

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防衛思想

海底ドームの存在や今後の都市船運用を鑑みて、
護衛用の潜水艦、あるいはRBが必要であると考えられている。

今後の護衛システム開発を睨んで都市船・マスターシップには
RBやI=Dが配備できる防衛塔を配備している。

先頃NW全体で発生した凶悪なテロ行為では潜水艦が使われていたこともあり、
紅葉国でも早急な防衛能力強化のため、船舶型RB等の配備を考慮している。

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移住

海底都市から都市船への移住に関しては、国から支援がでることになった。
ファームで生産された生物資源を使用し、
都市船生活者には現地で新たな生活必需品を提供することで運び込みの物資を局限した。

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